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テレビで 「知るを楽しむ・私のこだわり人物伝」 (NHK教育) という番組を見た。
6月放送分の再放送で、爆笑問題の太田光が独自の目線で向田ドラマを語るという内容。 向田邦子のドラマで思い出すのは 「寺内貫太郎一家」。 小林亜星と西城秀樹のケンカが始まると、家族みんなでちゃぶ台をザーっと引くシーン、 樹木希林が沢田研二のポスターの前で 「ジュリ~!」 と身悶えするシーン、 小気味よいテンポで展開していく寺内家の騒動に、毎回まんまと笑わされていた。 向田邦子はエッセイ 『眠る盃』 の中で、樹木希林演じる寺内きんについて、 寺内きんは、あきらめない。あらゆるものに、敵愾心(てきがいしん)と思えるほどのファ イトをもってぶつかってゆく。彼女の敵は自分の中の 「老い」 である。「老い」 が口惜しく て腹が立って、若い17のミヨちゃんに八つ当たりしたり、嫁をいじめたりして発散させる。 愚痴もこぼすし、得だと踏めば哀れみも乞うけれど、退くより攻めるほうが好きなのだ。 と解説し、寺内きんに 「自分の老後の、理想の姿を託した」 と書いている。 向田邦子のエッセイには、いたるところに 「潔さ」 が見え隠れしているように思う。 決して迷いがないワケではなく、とことん考え、悩みぬいた挙句の潔さが。 このエッセイを書いたとき、向田邦子は44歳。 独身の彼女は、今からあわてて結婚しても寺内きんになるのは無理だと言い、 10年先、20年先には、寺内きんのちょっと下あたりを狙い、 「美しくなくてもいい、最後まであきらめず、勇猛果敢に生きてやろう」 と結んでいる。 けれどその7年後、彼女は旅先の台湾で航空機事故に遭い急逝した。享年51歳。 20年先どころか10年先さえ生きることができなかった。 生きていれば76歳、きっと寺内きんのちょっと下あたりではなく、 ちょっと上あたりを行っているだろう、いや、行っていて欲しいと私は思う。 向田邦子は無類の猫好きだったそうです。
by smoothnote
| 2005-08-31 00:39
| * ヒトリゴトログ
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